2020年8月31日月曜日

『ペットと私と防災』Ⅱ

 ット防災せたがやネットワークの立ち上げメンバーの私たちは、世田谷区を主に、獣医師、動物看護師、ドッグトレーナー、愛玩動物飼養管理士等ペットの専門家として、また、防災についても地域の人とペットのつながりを大切にそれぞれ活動してきました。そんな私たちがなぜペット防災のネットワークをつくることになったのか?
”ペットと私と防災”をテーマにおはなしします!

『ペットと私と防災』 川原志津香 


防災について真面目に考えるきっかけになったのは、1995年1月の阪神淡路大震災でした。
当時京都の大学に在学中で一人暮らしをしていた私は大きな揺れに飛び起きました。
地震速報によると京都は震度5でした。

奈良に近い場所だったので、もしかすると震度4ぐらいだったのかもしれませんが、私にとってはこれまで体験した中で一番大きな揺れでした。

各地の震度がニュースで表示されていく中で、神戸の震度だけがいつまでも表示されず、地図には空白の場所がありました。神戸に住む母方の親戚の安否がなかなか確認できなくて不安だったことを覚えています。
タンスの下敷きになることをギリギリ免れ無事だった祖父母でしたが、被災後はライフラインが断たれ、エレベーターも止まってしまい、給水車が運んでくる水をマンションの6階まで運ぶのも大変でした。そんな祖父母に救援物資を持って行ったときに、私も災害の恐ろしさを目の当たりにしました。この頃実家にはトイプードルがいたので、もし実家が被災したら?とペット同伴避難についても初めて考えるようになりました。

災害はいつ起きるかわからないと言われても、なかなか自分には直接関係のないところの出来事のような気がして、避難所の確認、食料や水の備蓄といった災害への備えも「やらなくちゃね」のままでついつい後回しにしがちです。

でも、介護が必要な家族がいたら?小さな子供がいたら?ペットがいたら?

我が家には小学3年生の娘と、12歳の大型犬と6歳の中型犬がいます。大きな災害が起きたときに子供と犬たちを連れて素早く適切な行動が取れるためには、事前の備えがないとやはり不安です。


地域のネットワークを作り、情報収集をしておき、顔の見える関係を作っておくことで、いざというときには助け合うことができるようにしておきたい。・・・そんな思いから2018年に「深沢わんわんパトロール隊」を発足し、そのご縁でこの度「ペット防災せたがやネットワーク」のメンバーに入れて頂きました。
引退ギリギリまで隊長頑張ります。by愛犬 ヒューゴ隊長)

私は2004年から世田谷区にあるCan ! Do ! Pet Dog Schoolという犬のしつけ方教室に所属しています。
家庭犬のしつけは、生活の中で出会う様々な刺激を怖がらないように教えていく社会化や、プラスチック製のクレート(ハウス)の中で落ち着いて過ごすことができるように教えるなど、家に迎えたその日から少しずつ教えていけばどの子でもできるようになっていく項目がたくさんあります。

災害が起きたときにパニックになった犬を抱きかかえて移動することは困難を極めます。
でも普段から慣れている自分のハウスに入って移動したり、一時避難する場所でハウスで待機させれば、お互いのストレスも最小限に抑えることができます。
クレートなどの道具を揃える、犬のための備蓄をするといったハード面の備えも大事ですが、犬のしつけというソフト面の備えも日頃から重ねていきましょうと飼主様方には防災意識を持って頂くようにお話しています。

災害は起きないことが一番ですが、万が一のときのために、「ペット防災せたがやネットワーク」もフル活用して頂き、備えを万全にしていきましょう!





川原 志津香 (理事)
プロフィール:Can ! Do ! Pet Dog School専任家庭犬しつけインストラクター
米国プロフェッショナルドッグトレーナーCPDT-KSA認定
東京都動物愛護推進員
11年間の海外生活を経て、現在は日本の犬文化に根ざした家庭犬のしつけをライフワークにしています。
わんちゃんにもご家族にも笑顔が見られるようなしつけのお手伝いを目指しています。
また小学生の娘と犬2頭のママとして、地域の安全、防犯に関し多くの方とのつながりを大事にしたいと思っています。









『ペットと私と防災』Ⅰ

ット防災せたがやネットワークの立ち上げメンバーの私たちは、世田谷区を主に、獣医師、動物看護師、ドッグトレーナー、愛玩動物飼養管理士等ペットの専門家として、また、防災についても地域の人とペットのつながりを大切にそれぞれ活動してきました。そんな私たちがなぜペット防災のネットワークをつくることになったのか?
”ペットと私と防災”をテーマにおはなしします!

『ペットと私と防災』浜田あゆり 


ペット防災せたがやネットワークの代表をつとめる、Sweet Dogの浜田あゆりです。
我が家では、ミニチュアダックスフンドのチョコとクッキー、マルプーのココアと暮らしています🐶



関西大震災で親戚が被災してから、防災の準備は自分なりにしてきたつもりでした。
が、東日本大震災の時に、想像を超える現実を目の当たりにして、認識の甘さを痛感しました。

毎年どこかで想定外の…50年に1度の…という災害が起きています。
また、関東に直下型地震が起こるとも言われています。
2019年の台風19号では、多摩川が氾濫し、玉川地区の避難場所は大混乱となりました。
この時、ペット同行避難をしても、同伴避難できないと避難所に入る事ができなかった人達は少なくありません。

どうしてペットがいたら避難所に入れないのか?
アレルギー、鳴き声、臭い…

問題点はわかります。でも、だからといって危険な目にあったり、命を落とすような事があってはいけません。

それなら、ペットが入れる避難所を作っていけばいい。

でも、これを実現させるためには、世田谷保健所、まちづくりセンター、世田谷獣医師会、そして何よりも地域、町会の方々との連携と協力が必要不可です。

いつ起きてもおかしくなく災害に備えて、自分の命を守るため、愛する者の命を守るため、悲しい思いをする事がないように、できる事をしていこう!


そして、今年やっと、仲間と一緒にペット防災せたがやネットワークを立ち上げ、世田谷区地域の絆プロジェクトに申請しました。

災害時に避難所に行く事が全てではありません。

でも、行かざるを得ない時があるかもしれない。

そんな時に不安な思いしないように、そして冷静に行動がとれるように、ネットワークをつくり、ペットと安心して過ごせる地域づくりをしていきたいと思っています。



今年は新型コロナウイルスの影響で
新しい生活様式というものを経験しています。

毎年行なっている避難訓練も各地で中止となっています。

ペット防災せたがやネットワークでは、今できる事として、ペット防災についての知識やアイデア、アドバイスなどを発信していきます。






浜田 あゆり(代表理事)
プロフィール:Sweet Dog 愛犬のお家ケアとして、犬のマッサージやワンコフィットネスを行っています。犬と人が一緒に何かをする、一緒にいられる事が自然と受け入れられるような地域作りをめざしています。

2020年8月11日火曜日

2020年 ペット防災せたがやネットワーク発足!

 はじまりのおはなし

ネットワークをつくろう




私たちと共に暮らしている犬や猫たち ペット。

愛する家族であるペットの命を守るのは、飼い主しかいません。

ペット防災ネットワークのたちあげメンバーである私たちは、世田谷区で獣医師、動物看護師、ドッグトレーナー、愛玩動物飼養管理士など動物の専門家として、それぞれ防災についても地域の人とペットのつながりを大切に活動してきました。

しかし、近年つづく想定をはるかに超える各地の災害。。。昨年は、世田谷区でも台風19号による多摩川の氾濫で、緊急時に人とペットの命をどう守るかということが差し迫る大きな課題として浮き彫りになってきました。


・ペットの受け入れをどうするか? 

ペットを置いていけないからと人の命がおびやかされることがあってはならない。

・ペットが苦手な人、アレルギーのある人への配慮をどうするのか? 

・ペットの管理はだれがするのか?

これは、各避難所の運営には共通する問題ですが、この大きな課題を各避難所単独で検討し、1から作るのには大変な苦労があります。

けれど、災害は待ったなしです。

それには、世田谷区内のペット同行避難の先行事例を各地区で共有して、そのマニュアルを土台に各避難所運営を検討していければ、世田谷区全体のスピードアップ・レベルアップをはかることができます。

私たちは、昨年のような水害による避難も想定し、避難所設営のモデルケースを作ることを、考えています。

避難所開設マニュアルを作って、上野毛まちづくりセンター、町会の方々、世田谷保健所、世田谷獣医師会と共に始めていきます。

世田谷区内には、ペット同行避難について検討を始めている地区箇所もあります。

「行政」「地域」「世田谷獣医師会」との 情報交換・共有・連携により 、

点と点をつなげ大きな円へと、

ペットと暮らす人と地域のネットワーク作りをしていきたいと考え、

20205月、世田谷区地域の絆プロジェクトとして、ペット防災せたがやネットワークを発足しました。


わたしたち、メンバーの紹介は、HP「ご挨拶」をごらんください。