2021年11月26日金曜日

【防災のおはなし】地震に備える~もしも直下型地震がおきたら?

 もしも、直下型地震がおこったらどうやって家族や動物たちの命を守りますか?

当ネットワーク代表理事、浜田あゆりより、地震への備えについてお話しいたします。





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1120日に東京23区を震源とする地震が発生しました。

首都直下型地震はいつおきてもおかしくないと言われています。

もし地震が起きたら、どうやって命を守るのか、家族や動物達をどうやって守れるのかを身近な人達と日頃から話し合ってほしいと思います。 

その為には、

想像力を働かさなくてはいけません。起こってほしくない、最悪なケースを想像して、1つずつ問題点、疑問点をクリアにしていきます。 

例えば、

「家族全員が仕事や学校でバラバラの場所にいます。動物達は家でお留守番している時に地震が起こったら…。」すぐに自宅に帰れない、家族と連絡も取れない、いつ自宅に戻れるかもわからない状況になった時、どんな行動をとるのか、動物達はどうすればよいか。

 「家族揃って自宅にいたけれど、火災が起きたり、建物倒壊の危険があった場合、」動物達と一緒にどこに避難すればよいのか、何も持って避難するのか。

 

連絡手段(伝言ダイヤルやSNS避難場所集合場所は決めておきましょう。また、留守の時は自宅の様子を見に行ってくれる人(共助)がいると安心ですよね。 

災害時は自宅避難ができるにこしたことはありませんが、どんな状況になるかは、災害が起きた時にしかわかりません。何もない、平時にこそ、準備をしておく事が大切です。

 

■季節ごとに防災グッズも見直しましょう。

 これからの季節は防寒対策が必要です。ライフラインが途絶えた時の事を考えて、保温効果のある物やカイロなど準備しておくと安心です。 

災害時に必要な防災グッズ、あれもこれも必要かも!と準備していると、かなりの量になってしまいます。全てを防災リュックに詰め込んでも、災害時にそれを担いで、動物達を連れて移動できるのか…。

 


我が家には3匹の犬がいます。家族で担当の犬を決めていますが、災害が起きた時1人で避難しなければいけない状況になるかもしれません。 

犬は歩かせずにスリングやキャリーバッグに入れ、3匹一緒に入れるクレートを持ち、防災リュックを背負ってマンションの非常階段を使って避難所まで行くという事をやってみました。 普段なら避難所まで7分ですが、マンションから外に出るだけで5分かりました。災害時瓦礫が倒れて足元が悪かったり、まわり道をすると、30分以上かかるかもしれません。

我が家の犬は小型犬で、3匹合わせて15kgほどです。防災リュックには、飲料水、食料や犬用の物なども入っていて、約15kgの重さになっていました。災害時にこんな状態で避難するのはかなり難しいです。優先順位をつけて、最小限の物をもって避難しなければなりません。 

何を優先するのか、もちろん命が一番ですが、は災害が起きた時の事をいろいろなケースをシュミレーションして、その時に応じた災害準備が必要となってきます。

 災害時に動物同伴ができる避難所はまだまだ少ないです。避難所の設営は地域の方々で行っているので、防災担当の方々も被災者となります。そのため、動物同伴スペースなどは後回しとなるケースも少なくありません。

常日頃から、地域の避難訓練に参加したり、防災情報をチェックしておくと、いざという時にも落ち着いて行動が取れるようになり安心です。

 

 




【自宅に備えておきたい物】

●水113ℓ4ℓ、犬は1kgにつき15080ml

●主食になる食料(レトルトご飯、麺、缶詰、レトルト食品、冷凍食品など)

●野菜ジュースやゼリー飲料

●常温保存の食料(ソーセージ、お菓子類など)

●栄養補助食品

●衛生用品、常備薬(医師、獣医と相談して2週間〜1ヶ月分ストックできるようにしておくと安心です。)

●液体歯磨きやうがい液

●ウェットティッシュや消毒液

●マスク

●フード(ふだんから保存できるフードを見つけておくと、いざという時に安心です。)

●レトルトのフードやスープ(水をあまり飲まない、水がない時に水分補給ができます。)

●ペットシーツ(厚手の物を用意しておくと、トイレが使えなくなった時に人も使えます。)

 

これらはローリングストック法で最低1週間分を目安に常備しておくと安心です。

 

 

<役立つグッズ>

●トランジスタラジオと電池

LEDの懐中電灯

●ポリ袋やラップ類

●カセットコンロ

●携帯充電器

●発電機

●防風防水の上着や靴

●臭いがでない袋

●クレート(不測の事態が起きた時に、クレート訓練できていると安心です。)


浜田 あゆり(代表理事)

Sweet Dog





2021年8月20日金曜日

【防災のおはなし】【獣医師のおはなし】災害に備える日頃からの健康維持

 いざというときに備えて飼い主ができるペットの健康管理はなんでしょう?

当ネットワーク理事、世田谷区獣医師会所属 獣医師 長谷川 承(しのぐ)より

災害に備える日頃からの健康維持について、お話しいたします。







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災害に備える日頃からの健康維持


災害時の同行避難では、ペットを取り巻く環境は大きく変わります。 ほとんどの避難所では持参したケージに入れられ、飼い主とは別の指定された場所で管理されることになります。そして、指定場所もほとんどが屋外を想定しています。 この様な環境下での避難生活に対して、獣医療から想定しなければならないことは多岐に及びますが、大きく3つに分けられると思います。

 *画像提供 菊池ひとみ


つまり、 1.個としての獣医療:個々のペットの健康維持。 2.獣医衛生:ペットが集まることによる衛生問題。 3.公衆衛生:ペットと人との間の衛生問題。 となります。
今回は1.「個としての獣医療:個々のペットの健康維持」について解説いたします。



1. 個として獣医療 
「災害に備えて薬を少し多めに貰っておいて良いでしょうか?」 ここ最近飼い主様からこの様な言葉をよく伺うようになり、災害に備える意識が高まっていることを感じます。では、災害に備えて日頃からペットに対して行っておくべきことを考えてみましょう。
① 定期的な予防接種と予防薬の準備 予防接種の対象となる感染症はほとんどが空気感染です。ですからペットが集まる環境下では感染症が発生しやすくなり、ペットの避難場所はまさに「密」な環境となります。 この観点からも、定期的な予防接種を受けておくことはとても大切です。
「うちの子はもう歳だからワクチンは必要ないですか」という言葉をよく伺います。
この問いに対しては
「人でも感染症にかかりやすいのは幼児と老人ですよね。」 ですから高齢になるほど予防接種は必要となります。
とはいっても、疾患を抱えていると心配です。こんな子には抗体価の検査をして、予防接種の必要性を判定することができます。かかりつけの先生にご相談になると良いでしょう。

そのほかには、同行避難の場所は屋外が多いため、フィラリアやノミ・ダニなどの寄生虫に遭遇する可能性は高くなります。このため(特に4〜12月は)予防薬を少なくとも1回分(1ヶ月分)は余分に用意しておくと良いでしょう。




② 食事の備え 災害に備えて人では最低3日分の水と食料を用意するようにいわれています。これは3日目までには水と食料が被災地に届けられる想定になっているからです。 これに対してペットの食料はもっと日数が必要であることは容易に想像できます。 ですから日頃からペットの食事は人の物よりも多い日数を備えておくことが必要です。 特に、処方食が必須となる疾患(腎不全、消化器疾患など)では、より長期間備えなければなりません。 最近では処方食のバラエティーがとても多くなり、ほとんどの処方食がインターネットで購入することが出来るようになっています。このため動物病院でも全ての処方食を充分な量を取り揃えていないため、災害時に提供するのは困難なことが予想されます。

③ 疾患に対しての備え 腎不全や心不全、内分泌疾患などの慢性疾患では毎日の投薬が必要な場合が多く、災害時でも中断することはできません。 災害時に動物病院は被災していなければ救護所となりますので、ストックしている薬を処方することは可能ですが、充分な日数分にはならないと予想されます。また、動物病院が処方する7〜8割の薬は人薬ですので、災害時には人優先となり動物への供給は遅延すると思われます。 このことから最低でも1ヶ月程度の薬を余分に持っておくことをお勧めします。 しかし、中には使用期間が1ヶ月ない薬もありますので、予めかかりつけの先生に確かめておく必要があります。 それでも長期にわたる避難生活では薬が無くなってしまうと処方を受ける必要があります。このため、薬の名前は必ずメモっておくなど、分かるようにしておきましょう。





④ 常備薬の備え
「うちの子はホテルに預けると、帰ってきてお腹を壊すのよね。」これも良く聞かれることです。 避難生活はペットにとっても大変ストレスフルな状況となりますので、お腹の弱い子など体調を崩しやすい子は常備薬もしっかり持参できるようにしておいて下さい。

⑤ 避難時の体調変化に備えて 避難生活はストレスフルな環境です。最近のペットはストレスに対しての許容が低下しているように思います。過度のストレスに対しては、主に食欲低下、嘔吐・下痢などの消化器症状が現れます。これが進行すると発熱や沈うつなどもっと重篤な症状になります。もともと疾患を持っていたり、夏や冬などの過酷な環境下では容易に重篤な状態になりやすくなります。 このため、避難生活中にはできるだけしっかりと観察をする必要があります。

⑥ 体調を把握するために 体調の変化を判断するためには日頃から体調を把握しておく必要があります。
・体温:熱発では耳が熱くなります。ペット用の体温計を用意しましょう。 平熱:犬37.0〜38.8℃、猫38.0〜39.0℃ ・呼吸数:胸の膨らみや鼻に手をかざして測定します。 正常呼吸数:犬10〜30回/分、猫20〜25回/分 ・心拍数・脈拍数:肘のあたりの胸を左から触ると鼓動を感じられます。 正常心拍数:犬70〜120回/分、猫100〜120回/分 ・貧血・末梢循環:眼結膜(白目)の血管が見えるか?歯茎がピンクか? これらのことをいつも感じられるようにしておくようにしておきましょう。 以上が個としての獣医療となります。「うちのペット」は言うまでもなく飼い主の責任で管理・監視しなければなりませんので、日頃から健康の備えをしておく必要があります。







長谷川承 (しのぐ)  (理事)

アルマ動物病院院長 

獣医師。

ペット防災せたがやネットワーク理事


2021年7月20日火曜日

【防災のおはなし】災害に備える日々のしつけ 〜まずはクレートを身近な居心地の良い場所に〜

 いざというときに備えて飼い主ができるしつけはなんでしょう?

当ネットワーク理事、ドッグトレーナーの川原志津香が災害に備える日々のしつけ、クレートについてお話しいたします。


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「地震だ!」大きな揺れを感じると、日本に暮らす私たちは、机の下に避難するように子供の頃から何度となく教わってきています。

では、大きな地震に遭遇したときに、犬たちはどうでしょうか?
揺れと同時にガタガタと家の中の物が音を立てるのにびっくりして吠え、不安で逃げ回る犬もたくさんいます。
地震大国日本では、体に感じられる大小の地震が年間を通して起こりうるのですから、ぜひ、犬たちのための備えもしてみませんか?

とは言っても、犬たちにとっては「地震だから」「避難訓練だから」といった違いは分かりません。本物の地震のときにはこうしなさいねと言葉で説明することもできません。

では、どうしたら良いのでしょうか?
簡単です。
地震が起きても、その中にいれば安心安全という場所を、日頃から大好きな場所にしておけば良いのです。

(クレート内で熟睡)


安心安全な場所として、私たちはクレートを日頃から使ってくださいと飼主様方にはお伝えしています。

クレートというのは、プラスチック製の箱型のハウスのこと。
最初に子犬を家に連れてきたときや動物病院に連れて行くときだけ使うという方も多いのですが、これを日常的に使ってあげることで、安心してくつろげる場所を作ってあげることができますし、いざというときの備えにもなります。

狭い場所に閉じ込めるのはかわいそう、という声もよく聞かれます。
でも、もともと犬はこっそりとした居心地の良い場所が好きですから、無理矢理中に押し込んで扉を閉められたという嫌な体験がなければ、置いておけば意外と自分で中に入って寝ていることもあるぐらいです。

普段はクレートを片付けてしまっているという方も、試しに普段犬が生活しているリビングの一角にクレートを扉を開いた状態で置いてみましょう。
中にフードを少し入れてあげて、自分で中に入るようにしてみます。
行けば時々フードが中に入っているという場所があれば、度々見に行くようになるはずです。お気に入りのタオルやベッドがある場合は中に入れてあげても良いでしょう。
出入りしているうちに居心地の良さを感じて、中で過ごす時間が増えてくると思います。
どうぞ試してみてください。

(気がついたら入って寝ていることも)


間違っても、中に入りそうになったところをお尻を押して中に入れようとしてはいけません。そんなことをすれば、次からは騙されないぞ、と言わんばかりに後ろを振り返りつつ、後ろ足を出来るだけクレートの外に置いたままフードだけ取って急いで逃げる子に育ててしまいますから。

もし、すでに何度か無理矢理押し込んでしまってすっかりクレート嫌いにしてしまっているという方も、諦めずに、上のようにフードを中において、自由に取りに行かせる方法を試してみてください。
人が見ている限りはクレートに近寄らないほど嫌いになってしまっているかもしれませんが、根気よく繰り返していると、自分でフードを取りに行くようになるはずです。

日常的に使うことでクレートという場所を居心地の良い安心な場所と認識してくれたら、特別なトレーニングをしなくても大きな揺れを感じたり、不安な気持ちになったときに、自らクレートに逃げ込むという行動を取る犬も出てきます。

クレートを身近なものにしてあげること。
早速犬の生活するスペースにクレートを置いてみてください。

え、クレートをお持ちではない?小さすぎる?

そんなご家庭では、まず、ご自身の犬に合うサイズのクレートを用意してあげることから備えを始めましょう!

もちろん、揺れを感じた飼主が「ハウス」と言えば自らクレートに入るようにするようにも練習もできます。また、いざ避難という事態には扉を閉めて中に入っていられるように短い時間から徐々に練習していくこともできます。

その練習方法についてはまたの機会にお話しすることに致しましょう。





川原 志津香 
Can ! Do ! Pet Dog School家庭犬しつけインストラクター
CPDT-KSA
東京都動物愛護推進員
日本ペットドッグトレーナーズ協会 理事
ペット防災せたがやネットワーク 理事

2021年6月21日月曜日

【防災のお話】ペット防災~世田谷区獣医師会の取り組み

 ペット防災について

私たちペットの飼い主がお世話になっている動物病院の先生方。
世田谷区獣医師会では日頃の診療だけでなく

ペット防災については、
”大規模災害発生時に大切なペットと一緒に避難ができるよう”
#もしペットと離れてしまってもすぐに見つかるよう”
世田谷区とともに災害・防災対策の活動をされています。

ペット防災について、世田谷区獣医師会の取り組みについて
支部長本間義春先生、防災委員長田部久雄先生に原稿を寄せていただきました。
ありがとうございます。



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「ペット防災~世田谷区獣医師会の取り組み」


(公社) 東京都状医師会世田谷支部  支部長    本間義春 先生

                 防災委員長  田部久雄 先生


【1】獣医師会の防災活動への取り組みについて     

東京都獣医師会世田谷支部(以下獣医師会)では、世田谷区とペット防災に関する協議を行

い、災害時に獣医師会所属の動物病院が被災していない場合、負傷した動物の応急処置を

無料で行うという契約のみ締結していました。


 その後、東日本大震災以降、区民の皆様の防災意識が高まったことにより、

獣医師会は、保健所、街づくりセンターなどと相談し、会を5ブロックに分け、

ブロック毎に2名以上の防災委員を配置することで、ペット防災についての講演、避難場所

の確保、実地訓練など、アドバイザーとしてペット同行避難に貢献してまいりました。

                   *世田谷区獣医師会HPより

その効果もあり、平成30年には、たった2か所での防災講演も、令和元年には9かに急増

いたしました。

 令和1年は、台風19号による多摩川決壊もあり、地震対策だけではなく、温暖化による風

水害対策についても検討し、氾濫個所に一番近い支部員の先生に、当時の対処法を報告して

いただき、獣医師会内で情報共有するとともに、東京都獣医師会の会報にも掲載させていた

だきました。

 また、獣医師会支部防災委員だけにではなく、支部員全員に、ペット防災に関する知識を

つけ、地域に貢献できるように、


令和1年10月の支部会にアナイス(ヒトと動物の防災を考えるNPO法人)代表平井潤子氏を講師に招いての勉強会、

令和2年の8月には、平井氏はじめ、世田谷区議の先生、獣医師会防災委員、杉並支部、

現支部長、前支部長、保健所課長、とともに、地震と風水害に関する勉強会を行い、その結

果をまとめ獣医師会で共有いたしました。


杉並支部のみならず、新宿支部、品川支部など隣接した他支部との情報交換にも、力を入れ

るようにしています。


【2】ペット防災せたがやネットワーク(以下P防)と獣医師会の連携について

 P防様が結成されて、令和2年9月に、その活動内容をご説明いただきました。

情報ボランティアとして、素晴らしい活動で、区民にペット同行避難を提供するのに最適と

思い、獣医師会も積極的に協力しています。

 令和2年11月には、保健所、世田谷区議との三者協議、山野小での防災訓練に田部防災委

員長とP坊の浜田代表、斉郷理事2名ともにご参加、取材していただきレポートにまとめて
共有いたしました。→レポート

その後も令和2年12月17日には前述の平井潤子氏と、発災時の情報収集と難しさについて、

過去の失敗例をもとに勉強、検討会議を行いました。

今後も、獣医師会は、

防災のイロハである自助、共助、公助の周知徹底への協力、

時の際に、行っておくべき準備の啓発として、避難所に動物を避難させる場合に必要な
防、しつけ、避難所に持ち込むフード、飲料水、常備薬などの情報提供をするとともに、

P防のポスターの院内掲示、HPへのバナー添付などの協力を行っています。


【3】 今後の課題について    

 獣医師会としては、発災時には基本的に動けませんので、平時のうちに、できうる限り
 P防様等を主体とした、備えを行えねばなりません。

a) ペットの避難場所の確保、飼い主様の防災意識の向上、啓蒙活動

世田谷区では、ペット同伴避難は認められていません。ペット同行避難と言い、飼い

主様とペットの居場所は別々となります。ペットの鳴き声、糞尿の臭い等による、ペット

を飼っていない人とのトラブルを何としても回避しなければなりません。

 

個々の飼い主様の、ペット防災に関する意識の向上も、非常に大切だと思われます。

大きな災害に見舞われた場合、公立の小中学校だけでは、ペットを受け入れる避難場所

としては、圧倒的に数が足りないかもしれません。

さらに、新型コロナ感染症の三密対策により受け入れキャパシティに制限が生じているのが実情です。


昨今では、公設の避難所だけでなく、その他にも個人的な避難先を平時に確保しておき、

臨機応変に避難できるよう「分散避難」を心掛けることが推奨されています。それらの情

報を飼い主様に啓発し、飼い主様自身が複数の避難先を確保しておくことが、喫緊の課題

と思われます。

避難場所設定に関する、衛生面も含んだアドバイスであれば、獣医師会としてもご協力

できるのではないかと思います。


b) 発災時の正確な情報収集と、情報発信について

P防様が、この部分の担当となると思いますが、玉川1ブロックのボランテイアが中心と

なって世田谷全域をカバーすることは、100%不可能です。

保健所では、被災動物ボランティアを区民に対して募集しており、その勉強会等を通じて、

仲間を増やすことが、まず、必要と思われます。

また、獣医師会の先生の中にも、ペット防災のボランティア活動に積極的な患者様等を

ご存知かもしれませんので、獣医師会の先生を介して繋がりを広めることも可能ではないで

しょうか?

 

そして、各ブロックにP防様のような情報に関する拠点となる団体を設置し、互

いに連携を取ることで、多少はパニックを防ぐこと可能だと思います。


 正確な情報の発信は、時間軸に差が生じるため、保健所、獣医師会、P防様等のボラ

ンテイアか密接な連携をとり、オンタイムでの情報管理ができる様に訓練しておくこ

とも、今後の大きな課題でしょう。


【まとめ】

  発災時には、行政、獣医師会、ボランティア団体が行えることは限られてきます。

 いつ起こってもおかしくなく、ちゃんと機能するか疑問な点もあります。

 しかし、平時から少しずつでも各所が連携を取り、問題点をあぶりだし、解決していく

ことにより、被害を減らすことは可能です。

 最後に、飼い主様が、常日頃、イメージトレーニングをすることも、大切だと思います。

為すべき課題は、山積していますが、 獣医師会としても、平時に、できる限り各所と連

携、協力を促し、情報提供も行うことにより、お役に立てるよう、微力ではありますが、

努力を続けていく所存です。


                   



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●世田谷区獣医師会 HP

●世田谷区獣医師会 HP:防災/災害対応

2021年5月23日日曜日

【活動報告】世田谷区地域の絆プロジェクト 令和2年度活動報告 終わりました。

 

世田谷区地域の絆プロジェクト

令和2年度の活動報告も無事に終わりました。



1年目の活動は、コロナ禍で思うような活動ができませんでしたが、各所との話し合いをする時間がたくさんとれました。 

世田谷区獣医師会とは、ペット同行避難についての問題点や課題について話し合いしっかりと連携を取ることができました。世田谷区獣医師会HPでは、ペット防災せたがやネットワークのリンクが貼られています。

防災・災害対応 | 世田谷区獣医師会 (vets.tokyo)


 

世田谷保健所とは、避難所の現状や被災動物ボランティアについての話し合いをしてきました。

 

世田谷区の横のつながりを強化するため、上野毛地区、砧地区、瀬田地区、上馬地区、深沢地区、駒沢地区の地域の方々との交流を持ちました。

 

避難所にペット班を設置する為には、その地域に住む方々の力が必要不可欠です。人と動物が共生する地域作りのためにも、しっかりとしたネットワークを繋げていきたいと思っています。

 コロナ禍では避難所の収容人数は通常時の半数となっています。

ステイホーム中の今出来る事として、自宅は浸水地域なのかハザードマップで確認して、家族で避難経路、避難場所を確認してみてください。

震災時、もしかしたら家族バラバラの場所で被災するかもしれません。数日連絡がとれなくなる事があるかもしれません。どこに避難すればいいのか、どんな風に家族と連絡をとるのが、シュミレーションしてみてください。

 

令和3年度は、地域の防災訓練にも是非参加してみて下さいね。

ペット防災せたがやネットワークでも、ペット同行避難訓練を行いたいと計画しています。

 

活動報告の詳細はペット防災せたがやネットワークのHP「活動報告」

ブログをご覧下さい。



ペット防災せたがやネットワーク 代表 浜田 あゆり    

2021年3月9日火曜日

【防災のお話し】〈シリーズ②〉2019年台風19号の体験から世田谷区の「ペット同行避難」を考える

 ◇シリーズでお伝えします◇

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はじめに
①台風19号が迫る当時の状況は?(
前回)
 避難所、ペットの受け入れ
②風水害の危険が迫る時 できることは?(今回)
 世田谷獣医師会防災委員蜷川先生インタビュー
③台風19号の被害を踏まえた対応は?
 次回予定

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②風水害の危険が迫る時 できることは?

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多摩川周辺地域を歩いてまわってみました
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上野毛まちづくりセンター管内(上野毛(1~4丁目)、野毛(1~3丁目)、中町(1~5丁目)掲示板には、「ペット防災せたがやネットワーク」のチラシを掲示させていただいていました。掲示期間が終了になったので、多摩川周辺の地区をちらしを回収しながら、災害時の行動を考えてみることにしました。



この日は、多摩川の水位は低く、のどかな風景からはとてもここが浸水するとは感じられません。

 しかし、周辺をまわってみると、想定浸水深さ3M、


 さらに、6M、7M という表示があります。


良く見ると、2階ほどの高さの壁に浸水の跡が残っているところもあり、被害の大きさがわかります。


ちょっとわかりにくい写真になってしまいましたが、お年寄りの方には、きつい坂道もありました。

お年寄りの方、体の不自由な方、小さなお子さん
ペットを連れた家族も、危険が迫ってから避難するのは困難があることでしょう。


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世田谷獣医師会水害アドバイザー 蜷川先生へのインタビュー
『水害は読める』 
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後日、東京都獣医師会 世田谷支部の水害アドバイザーである「クローバー動物病院」(世田谷区玉川117211)蜷川先生に当時の状況と今後の備えについてお話しをうかがいました。


 【当時の状況】

クローバー動物病院では?

台風19号が猛威を振るった1012日。

クローバー動物病院では、結果的には、浸水の被害はありませんでしたが、一時は周辺地域での浸水が広がり病院の浸水も予測された状況でした。

クローバ動物病院では、あらかじめ、リスクが高まった際の行動のひな型を作っていたので、それに沿って、スタッフの安全、動物たちの安全確保のための移動について話し合われたそうです。

 

周辺地域の飼い主さんは?

当日、ペットを飼育されていた方はどうされていたでしょうか?

クローバー動物病院に、当日ペットを預けたいという方はいなかったそうですが、周辺地域で、自宅が浸水の被害にあわれた飼い主さんもかなりいらっしゃったようです。
その後、病院にみえた飼い主さんのお話でわかったことですが、
台風が近づく前に前もってペットだけ他に預けていた方や
自宅が浸水している場合は、自宅にもどれるまでペットの犬猫は、それぞれ
家族、親戚、友人、ペットホテルなどに預けるなど、それが12ヶ月にも及んだケースもあったということです。


私たちができる備え】

蜷川先生が強く言われていたのは、「水害は読める」「地形を読み込む」ということです。

ハザードマップよくよく見ることで、水害の危険が迫ってきた時、

どういう行動をするのか?手順、オプションを考え、実行することができる。のです。


地形を読み込むことで

リーダーは、ハザードマップから地域の避難ルートを誘導することができます。

自力で避難できないお年寄りは、早めに上に避難できるように手助けすることは、実際に

地域で意識して行われているそうです。

 また、クローバー動物病院では、地域での飼い主さんとの勉強会も行われています。

地域で活動する方々が、台風19号の被害を詳細に検証した資料も作られていました。

台風19号の被害を受けて、世田谷区のハザードマップは、最新の浸水予想区域図を反映し、名称も「洪水・内水氾濫ハザードマップ」に変更、より詳細にわかりやすく改訂されました。
各家庭に配布されていますので、必ず、自宅周辺の危険な場所を確認してください。
ハザードマップは、世田谷区のHPでは、こちらから御覧になれます。

 前回の①台風19号が迫る当時の状況は? で、お伝えしたように、

特に風水害では、激しい風雨の中避難してくる状況で室外にペットだけ置くということは考えられません。初めから、避難所へのペットとの同行をあきらめた人が多く、避難所に来てもペットは受け入れられないとと聞き、自宅が浸水しているのにひきかえした人もいました。その後、どうなったのかが気がかりです。

川崎市では、ペットを置いて避難はできないからと、避難せず亡くなられた方がいらしゃいました。ペットを4匹飼っていらっしゃったそうです。心からお悔やみ申し上げます。

「非常時を想定して、飼い主として備えをしておくこと」これはもちろん大切なことです。

しかし、毎年毎年、これまでに想定したことがない・・・という言葉が更新されるような大雨、集中豪雨の発生、大地震もいつ起こるかわかりません。誰でもそのとき、その時間その場面によって避難しなければいけなくなる可能性があります。


ペットの避難場所

台風19号の被害を検証し、

世田谷区では風水害での避難の場合「各避難所でペットを受け入れます」と明確に打ち出されました。これは、「雨風の防げる屋根のある場所」です。

では、実際に避難所のどこをペットの避難スペースとするのでしょう?

前回「①台風19号が迫る当時の状況」で、見てきたように「昇降口」「体育倉庫」「多目的スペース」「体育館の一部」などで受け入れた例もありますが、避難所の施設形態によっても違ってきます。

ペットの安全な管理、アレルギーのある人、ペットが苦手な人との動線の分離等など
避難してからでは、困難なことが多くあります。

ペット防災せたがやネットワークでは、玉川小でのペット滞在スペースの検証と、山野小避難開設訓練に参加させていただき、ペットの同行避難を現場で検証することが、いかに大切かとわかりました。

世田谷区では、基本は、ペット滞在スペースは人と離れたスペースとされているのですが、ペットの管理はどうするのか?ペットの安全管理はどうすればよいのか?
検証することで具体的な課題も見えてきます。

ペットが飼い主と離れることで、不安になり、鳴き声、騒音、ストレスで体調をくずすこともあります。ペットの世話が適切にできなければ、糞尿のにおい、衛生面の問題が生じます。多様なケージが持ち込まれるので、管理をしっかりしなければ暴れて壊れるなどでペットが飛び出してしまう危険(ペットと人の両方に対し)もあります。

ペット防災せたがやネットワークで、現場を検証する中で、

「水害での一時避難は長くても1日。であれば、飼い主が責任をもって自分のペットと共に滞在し、糞尿の処理、ゴミの持ち帰りを徹底する方が、人もペットも落ち着き、鳴き声も減り、他の避難者の安全と安心が得られるのではないか」
と意見を出させていただきました。

また、アレルギーがある方に配慮するために、その方たちの滞在スペースを確保して安全面に気をつけることで安心もされるのではないかとの提案も出てきました。


ペットと飼い主の滞在スペースを同じにすることについて蜷川先生にもお考えをうかがいました。

「ペットの同行避難について、問題となるペットの「騒音、におい、アレルギー」への対応を合理的な方法で進めること

たとえば、
ペットだけでいることでずっと鳴き続けるというカオスが生まれるならば、そうしない方法として、ペットと飼い主のスペースと避難された人のスペースのエリア分けはどうか?
さらに、その距離を離すことはどうか?

避難してきている様々な立場の方が、納得する合理的な方法をみいだすことです。
さらに「あきらめずに合理的な方法で進めていく姿勢を持つこと」が大事だと先生はおっしゃいます。


動物へのアレルギー、鳴き声、匂いへの問題があり、
世田谷区では、現状は、人とペットは別スペースが基本になっていますが、
ペットが好き、嫌いの感情ではなく
各避難所運営を具体的に検討する中で、「合理的方法」みいだしていく道筋を作ることが必要だと強く感じました。

このブログを読んでくださっているみなさま
世田谷区の各地区、各地域のみなさま
ペットを飼っている方も飼っていない方も
ご意見、ご質問、あるいは、実例などぜひお寄せ下さい。

次回は、「③台風19号の被害を踏まえた対応は?」をお送りします。




(文・編集 斉郷 恵)




 




 


2021年2月19日金曜日

【防災のお話し】〈シリーズ①〉2019年台風19号の体験から世田谷区の「ペット同行避難」を考える

   ◇シリーズでお伝えします◇

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はじめに
①台風19号が迫る当時の状況は?
 (今回の記事)
 避難所、ペットの受け入れ
②風水害の危険が迫る時 できることは?
 世田谷獣医師会防災委員蜷川先生インタビュー
③台風19号の被害を踏まえた対応は?

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①台風19号が迫る当時の状況

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2019/10/12(土)多摩川氾濫 避難指示が出された
避難所の状況を、時系列で見ていきましょう。
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10/10(金) 
・台風19号の進路は、関東首都圏上陸が予想され、10月10日に災害対策本部を設置
10/11(土)
・区内小中学校休校。幼稚園・小学校休園。8か所の避難所開設を決定。
10/12(日)
・台風19号接近。
・午後2時 多摩川氾濫警戒情報発令避難所を順次開設(22カ所)
・午後2時45分 避難準備・高齢者等避難開始を発令エリアメール、ホームページ、ツイッター、防災行政無線等での情報発信。
HPにアクセス集中し閲覧できない状態となった。
・午後3時30分 多摩川氾濫危険情報発令
警戒レベル4である多摩川の洪水に関する避難勧告発令
・午後4時15分 土砂災害に関する避難勧告25カ所の避難所開設
・午後6時45分 警戒レベル4である「避難指示(緊急)」玉川1丁目と3丁目の堤外地のみ発令。
・午後7時30分 水位の上昇により、多摩川の洪水に関する「避難指示(緊急)」を、対象範囲を広げて発令
・合計で27か所の避難所開設。午後11時 ピーク時には5376名の方が避難

10/14 10時 避難されていた方が順次帰宅されたことを確認し、全ての避難所は閉鎖。


                                                   photo by saigo

 浮かび上がった問題 

■情報発信、情報の混乱
上記、区長あいさつの中でも触れられていますが、世田谷区のホームページにアクセスが集中し、閲覧できない状況が発生しました。(平常時1万未満のアクセス数が27万に急増)

多摩川氾濫危険情報が発令され、多摩川の水位の上昇がテレビなどで繰り返し報じられたこともあり、アクセスが集中したと思われます。(実際に私もこの時なんとか避難所の情報を知りたいと区のHPにアクセスを試みていましたが、つながらず、TwitterやSNSで情報をさがしていました。)

SNS上では、世田谷区はペット同行避難ができると聞いていたのに、連れて行ってみるとだめだと言われ帰ってきたという話や、世田谷区はペット同行避難ができないという情報が広がっていました。

最初に開設された自主避難所に「ペット受け入れ態勢はございません」との説明があり、その後、世田谷区の避難所についてそれ以上の情報が得られないこともあり、それがそのまま一律に「世田谷区はペット同行できない」という情報として伝わっていったように思います。

*自主避難所 
「同行避難の避難所対応については、地震災害発生時は原則ペットとの同行避難者を受け入れるため、その具体的な方法を各避難所運営組織が検討しています。台風第19号が通過した際には、水害時の避難に適した冠水の恐れのない施設である必要性から、地区会館等を自主避難場所として開設しましたが、ロビーなどの規模が小さいため、ケージに入れたペットを屋内に収容するスペースの確保が難しく、ペットの受け入れができませんでした。台風第19号に伴う今回の避難所運営等における問題や課題、水害時の避難所におけるペットの受入可否や、その周知等について、関係所管で検証し同行避難が可能となるよう体制を検討していきます。」(区長へのメール、区の回答より)




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実際、避難所のペット受け入れは
どうだったでしょうか?
当日の画像、Twitter発信を見ていきましょう
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【指定避難所 A 】 1610 
「現在避難者200人ほどです。ペットはダメと言われました。運営を仕切る区の指揮担当者がいないので混乱しています。」

【避難所 B】 1659

「体育館の倉庫が同伴避難場所。まだ外にも犬猫連れてきた方々並んでいます。倉庫は満員ですが物をどかしてこれからスペースひろげます。」




「町会の方と相談し、ここが犬猫同伴避難エリアとしていただきました。

外の広場も屋根あります。すぐに避難してください。」


「ペット同伴避難エリアは2階への階段のぼる手前。張り紙とかないので。世田谷区としては認められないそうです。しかし町会おっけーなら良しとなりました!今、わんこ避難きました。」


【避難所 C 】 

ペット同伴。体育館入って右側手前のブロック許可いただきました。

今現在数匹のウサギやわんちゃん避難しています。


【避難所 D】

毛布を運び入れている入り口の様子です。毛布は風雨強くなったときに運び入れられています。このシステムはどうなっているかはわかりませんでした。





入り口の様子は、ペット可否も聞けない状況を現していると思います。
受付では例えば「私の住んでいるマンションは避難したほうがいいか?」という類の質問が多く感じました。
「避難所に避難してきたほうがいいか?」を聞きに来る人が本当に多かったのです。

私たちは平常時に自分の住んでいる地域の情報を把握しておきましょうと
よく聞いてきたと思いますが、
現実には、やはり避難情報が流れてくるまではわからない人がとても多いのです。

当日にペットはどうかは聞くことはハードルが高く、やはりペットの避難は早く今のうちに
進めていかなければと痛感しました。


以上は、2019年10月12日当日、菊池ひとみ(ペット防災せたがやネットワーク理事)が、
避難所をまわった際の画像、言葉より構成、編集いたしました。

*掲載している写真は、避難所の一部であることはご了承ください。
*画像、文章の無断転載はご遠慮ください。



『大切な地域のつながり』

・ ある避難所では、すでにペットと一緒にいられるスペースがありました。

・ある避難所では、入口でペットは入れませんというアナウンス

・ある避難所は当日現場で決定し、臨時でペット避難スペースを開設et

地域防災に取り組む町会の方々、運営に関わっている様々なポジションで活動する方々の表情や落ち着いた対応等を目の当たりにし、避難所運営をまとめている様子や思いに実際に触れ、改めて感じ入りました。 

避難所運営はエリアごと違うのですから、納得がいきます。そして、ペット防災について乗り越えるべき多くの課題もよく理解できました。

〈ペット防災せたがやネットワークブログ「ペットと私と防災」菊池ひとみより抜粋〉

 



避難所で浮かび上がった問題

■ペット受け入れの体制

当日の状況から避難所のペット受け入れの体制について以下の問題があげられます。

・開設数を順次増やしていったが避難所がいっぱいになり入りきれず、他の避難所に回らざるを得なかった方もいた。

・実際の現場では、ペットと人を分けるということはできなかった

・自宅が浸水しているのに、ペットと入れないので、ひきかえすという人もいた

・ペット受け入れを断られたが、現場で粘りよく交渉し、限定したエリアで受け入れた事例もある。

上記のことから

「各避難所ごとに、風水害の際と地震の際を想定して具体的なペット受け入れの体制を考えておくこと」

避難所ごとのペット同行マニュアルの作成が重要だと考えます。


次回は、

②風水害の危険が迫る時 できることは?
 
世田谷獣医師会防災委員 水害アドバイザーの蜷川先生にインタビューした内容をお送りします。

                        
(文・編集 斉郷 恵)