2020年9月12日土曜日

『ペットと私と防災』Ⅳ

 ット防災せたがやネットワークの立ち上げメンバーの私たちは、世田谷区を主に、獣医師、動物看護師、ドッグトレーナー、愛玩動物飼養管理士等ペットの専門家として、また、防災についても地域の人とペットのつながりを大切にそれぞれ活動してきました。そんな私たちがなぜペット防災のネットワークをつくることになったのか?

”ペットと私と防災”をテーマにおはなしします!

『ペットと私と防災』 菊池ひとみ  

  

2019年、台風19号の影響で私の住む地域に避難情報が出されました。

幸い私の住居は上野毛駅近くの6階だったため、避難所へ向かう必要はありませんでした。しかしハザードマップで浸水エリアに指定されている地域は徒歩圏内の距離です。私も猫と暮らしているため地元避難所のペット避難について気になってしまい、自宅からほど近い尾山台の小・中学校・玉川小学校等の避難所に立ち寄ることにしました。

ペットを連れた方に多数お会いしましたが、現状は「ペットも避難」はとても叶いそうもない状況となっていました。 


雨風が強くなり、いよいよその時が来るかという時分のことでした。

入り口でペットは難しいと言われたという女性は、ご自身の自宅付近の浸水がすでに始まっていることがわかっていながらも、私に一言、「もう帰宅するしかないです」と中型犬と帰って行きました。

ほんの数時間だけ、この学校のどこでもいい、屋内でなくても、せめてここにさえいれば、万が一氾濫が起こっても人もペットも命だけは助かる。絶対に命だけは助かる。

諦めの悪い私は、避難所運営に関わっているだろうと思われる方々に手当たり次第「一時的にどうにか、どこでも良いのでお願いします。」と直談判しました。

そして、そう長い時間もかからなかったのですが、町会の方から
「では、スペースつくりましょう!」と許可をいただくことができ、屋外のスペース・屋内のスペースの2か所の許可をいただくということが叶いました。



台風19号多摩川氾濫の危機により、地元世田谷地域での避難所におけるペット避難の様を目の当たりにした結果、大きな学びがありました。 

それは、地域の「つながり」の大切さでした。 

地域防災に取り組む町会の方々、運営に関わっている様々なポジションで活動する方々の表情や落ち着いた対応等を目の当たりにし、避難所運営をまとめている様子や思いに実際に触れ、改めて感じ入りました。 

ある避難所では、すでにペットと一緒にいられるスペースがありました。 
ある避難所では、入口でペットは入れませんというアナウンス、ある避難所は当日現場で決定し、臨時でペット避難スペースを開設etc.
避難所運営はエリアごと違うのですから、納得がいきます。
そして、ペット防災について乗り越えるべき多くの課題もよく理解できました。

私は台風19号多摩川氾濫がきっかけで、防災士になることを決めました。 

そんな折、本ネットワーク代表の浜田氏・斉郷氏よりご連絡をいただきました。
そして本ネットワークでの活動に参加をさせていただく運びとなりました。

立ち上げたばかりの本ネットワークですが、まずは世田谷区全域に、都全体に、そしてもっと広く、この輪が広がっていくように活動して行きたいと存じます。

 




菊池 ひとみ (理事)

『世田谷 ねこ係』代表

防災士

ペットセーバーERT認定

RECOVER BLS&ALS修了

愛玩動物飼養管理士1級


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